言わぬが花


あとがき


まずは、ここまでお読みいただきありがとうございます。そして大変お疲れ様でした。
孫権視点の策瑜小説「言わぬが花」、如何でしたでしょうか?
メインで登場するのが周瑜と孫権ということで、「孫策と周瑜」という点で見ると多少消化不良なところもありますが、楽しんでいただけたら幸いです。
バレバレとは思いますが、この話、「(結局収まるんだから)言わない方が良かった」というのと「(誰にも)言わないけど(周瑜は)花なんです」というのをかけていました。う〜ん、芸の無さが……。


それにしても。
本当、時間掛かりました。自分では長くて1ヶ月で終わると思っていたのですがね。当初は「孫権視点は書き易い」と大口叩いていたのに、こんな風になるとは……。
実はこれ、削った部分のすごく多い話なんですよ。削らなかったら軽く2,3倍の長さになります。
孫権を書いてると、意外に彼自身のことに話題が転換していってしまうんですよね。例えば、初日の宴の夜のあと、次第に孫権の疑念が深まっていくというシーンをいくつか考えてありましたし、それで周泰の登場シーンもありました。それに孫権が孫策の部屋に無断で行くシーンも、警備の目をかいくぐるために工夫するところとか、周瑜が自室へ戻る時にちらっと気付きかけるところとか、三話目の周瑜との問答ももっと長いものでしたね。
でも、それ全部入れてると、もはや策瑜といえない……いや、策瑜CPに変わりないのですが、策の登場が少なすぎて、むしろ権→瑜に見えたりしちゃうんじゃないかと思いました。小説置き場にも、一応「策瑜」でカテゴライズされてますし、あまり策瑜シチュが少なくてもいけないかな、と。


――――― で、とても苦しんだのが最後の問答シーンでした。
いや、私自身、周瑜に説得されてしまいまして、どうにも策瑜に戻れなくなってしまったんですよ。やっぱ人の上に立つ人は、求心力失ったら終りってトコロあるだろうなって思いまして。腐れ女子なら喜んで付いていくかも知れないけど、男社会でホ○は引かれるでしょうね。
なので、ちょっと周瑜の説得の言葉は少なくしてあります(汗)。説得のポイント、二つくらい失くしてあるんです。(いいんだろうか?)
それで、孫策の対抗論も実際のシーンにさしかかるまで考えてなくてですね(滝汗)、…まぁ、結局ごり押しなんだろうとは思ってましたが、その場で浮かんできた文言を言わせてみました。……というか、周瑜は多分、孫策に弱いんですよ。別に理路整然と理由を述べられなくても、ギュッとされて「大丈夫、大丈夫……」と繰り返されれば、なんかもうどうでも良くなって最終的に説得されてしまうんではないでしょうか。…美周郎はそんなに甘くはありませんか。


あ、あと裏ですね。(苦笑)
中途半端で済みません、まったく。声入れるのって案外難しいもんですね。今後も多分挑戦していくと思いますが、声の扱いには充分注意しなければいけないですね。……でも別に、声は入れなくても充分裏はありうるか。いや、でも台詞入れた方が臨場感はでるのか?


それでは最後になりますが、ここまで読んでくださった皆様に心より御礼申し上げます。





 香乃柊  (2007/04/05)



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